UEM18238 日本の甲冑一式

Close up of a samurai helmet

詳細説明

この甲冑は1873年に、「リッレサン出身のH.J.ハーメル領事による寄贈」という短い手紙と共に民俗博物館に届けられた。ハンス・ヤコブ・ハーメル(Hans Jacob Hammer)(1819-1886)は、船舶企業家であったが同時にノルウェーのリッレサン(Lillesand)で英国領事をしていた。彼は、契約を請け負って造船し、19世紀後半世界中の海を航行した数多くの船を所有していた。彼がどのような経緯でこの甲冑を入手したかは分からないが、世界中を旅していた人々と近しい交流があったことは間違いない。

この甲冑一式は全ての装備が揃っており欠けているものはない。家紋は「振り一つ巴」(左一つ巴の変形)が使われているが、具体的にどの家系かを特定するのは難しい。赤色の甲冑は、権力が強く赤色を好んだ井伊家との繋がりを暗示しているが、家紋は井伊家のものではない。

兜

64枚の細長い三角の板で作られており、夫々に一本づつ筋が付いている。各板には26の鋲があり上に向かうにつれて狭まって頂上の小穴、天辺(てへん)に向かっている。天辺は4重にの真鍮と銅の天辺金物に取り囲まれている。

  錏(しころ):5枚の金漆で塗られた鉄板が明るい赤茶色の紐で繋がれてい    る。  

最上部の板は、吹返しに繋がっている。両側の吹返しには小ぶりの丸    い板に    家紋「振り一つ巴」が彫り付けられている。

兜の正面には、傾斜の強い眉庇(まびさし)と飾りの前立とが取り付けられている。

 前立て: 金箔を施した真鍮で内と外の大小の円形は太陽と月を表している。
 

甲冑一式  (UEM18238) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス​​​​​​​
甲冑一式  (UEM18238) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス

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面頬

鉄で作られた荒々しい表情の烈勢面(れっせいめん)で、外側は錆塗り(錆塗りの工程には漆と鉄粉あるいは錆びた鉄粉を混ぜている)といわれる見た目が錆びたように見える技法を使っている。大きな口髭と小ぶりの顎鬚、開いた口には銀色の歯が下側にある。内側は赤く漆塗りされている。

喉部の保護は4枚の鉄板で作られており、金塗りで緋色の組み紐が使われている。

胴

I2つの部分が左側の蝶番で繋がっており、右側は紐で締める。金属部分は全て明るい赤色で彩色されている。上下の胸板が中間部分に白い締め紐できつく結ばれ、腹周りの板「重ね」は白い紐でゆったりと繋がれている。

背中側の板は7列の小さめの横板「本小札」(ほんこさね)が繋がれて出来ており、ゆったり目に白い紐で繋がれている。

草摺(くさずり):7列の草摺はそれぞれ5枚の金に塗られた板が赤い紐で繋がれてできている。

袖

中型、5列の金に塗られた板が赤い紐で繋がれている。

袖

同上

小手・籠手(こて)

赤い鉄板と鎖帷子で作られている。鉄板は瓜型と四方形で錦地の上に取り付けられており、裏地は木綿。

小手・籠手(こて)

同上

脛盾・膝甲・佩盾(はいだて)

鎖帷子の上を赤く塗られた板があり更にそれを錦地で覆っている。裏地は木綿。

Nærbilde av leggbeskytterne

脛当・臑当・髄当(すねあて)

楔帷子と7枚の鉄の縦長の鉄板で作られ、それが絹地にとり取り付けられている。足下方の内側は革で補強されている。

脛当・臑当・髄当(すねあて)

同上

By ペール・タリエ・ノールハイム 著 ラーシュ・リーサン、アンネ・ホーブー編集 マグヌスセン 矢部直美 日本語訳
Published Sep. 19, 2025 12:59 PM - Last modified Dec. 9, 2025 3:09 PM