UEM18239 日本の甲冑一式

Close up of a samurai helmet

詳細説明

これまで、この甲冑の由来は「1908年、ゼーニコー(Zernichow)婦人からの[博物館への]寄贈」ということ以外何もわからない。

この甲冑には、正面側に二つ、背側一つ、火縄銃で撃った銃跡が計三つある。甲冑の効果を試すということは、16世紀に火縄銃が伝来してから盛んになった。

家紋は、七曜(しちよう)で多くの武家で使われていたものである。

甲冑にはすべての部分が備えついているが、佩楯と脛当の保護部分には他の部分にある装飾が取り入れておらず、無装飾である。その為、佩楯と脛当は元々この甲冑に属していたものではないと推測される。

兜

兜は頭形(ずなり)兜。焦げ茶で着色されており、眉庇(まびざし)の細い筋の部分は真鍮で飾られている。首の保護、錏(しころ)は5枚の鉄板が青い紐で繋がれている。上部の鉄板は長く、後ろに向かって反っている小ぶりの吹き返しであるが、片方が外れているが、その部分は存在している。

鉢の3枚の板には銃で撃たれた跡があるが、試し撃ちで故意にできたものである。

甲冑一式  (UEM18239) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス (George Alexis Pantos)
甲冑一式  (UEM18239) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス
(George Alexis Pantos)

大きな画像

面頬

荒々しい表情の烈勢面で、焦げ茶色で塗られ、大きな白い口髭と小さな顎鬚がある。上唇は赤く着色され、口には銀の歯が付いている。裏側は赤で塗られている。

喉の保護、錏(しころ)は、4枚の黒く着色された板で、青い紐で繋がれている。

胴

5つの部分から成り蝶番で左側で繋がれている。胸板と背板にはそれに加えて左側の開いた部分に小ぶりな板が1枚ある。右側の開いた部分にも2枚の小ぶりな板がある。全て焦げ茶で着色されている。

胸板は5枚の横長の板で真ん中が峰の様に盛りあがっている。上部の二枚の板が首の部分に繋がれている。背側も同じように横長の板で出来ている。

胸板には二つの火縄銃による弾跡があるが、一つは上部もう一つは下方のあり、背側にも同じような跡が見られる。

草摺(くさずり: 7組の草摺がそれぞれが5枚の板から作られており、焦げ茶色で着色され青い紐で繋がれている。

袖

中型で、7枚の焦げ茶の板が青い紐で繋がれているが、端部分は複数色の紐で繋がれている。

袖

同上

小手・籠手(こて)

鉄板と鎖帷子で作られており、肘部分は花型の板が使われている。手部分は鉄板に6つの円でひとつの円を囲んだ家紋が装飾されているが、全てが浮き彫りである。他の部分とは異なり、腕を保護する鉄板は艶があるようには塗られておらず、錆塗りが使われている。

この袖部分には、この甲冑の他の部分と呼応する装飾や材質が使われていない為、元々は他の甲冑に付属していたものを持ってきたのではないかと推測される

小手・籠手(こて)

同上

脛盾・膝甲・佩盾(はいだて)

14枚の暗い色に塗られた板で、緑の錦織地の上に各4列で繋がれている。この部分にはこの甲冑の他の部分に見られるような装飾が殆どないので、元々この具足に属していたものではないかと推測される。

Nærbilde av hjelmen
UEM2839 部分. 写真: ゲオルゲ・アレキシス・パントス

脛当・臑当・髄当(すねあて)

4枚の縦長の鉄板が鎖帷子で繋がれている。

脛当・臑当・髄当(すねあて)

同上

By ペール・タリエ・ノールハイム 著 ラーシュ・リーサン、アンネ・ホーブー編集 マグヌスセン 矢部直美 日本語訳
Published Mar. 19, 2025 8:04 PM - Last modified Dec. 9, 2025 3:26 PM