UEM18237 甲冑一式 具足

UEM18237部分:喉の保護(左上)、胸板(中央下方)と腕の保護(右)。喉の保護と胸板は鉄板で出来ており、絹の紐(薄い赤と緑)で繋がれている。鉄の胸板は、型染の革(青い模様部分)で覆われている。腕部分は、茶色の木綿地が緑、朱色、白の絹糸で小食されている。写真 ゲオルゲ・アレクシス・パントス

説明

この甲冑はノルウェー人実業家  アクセル・ハイバルグ(Axel Heiderberg)より1909年に博物館に寄贈されたものである。ハイバルグがどこから入手したのかは明らかでないが、彼は上海で1870年から72年にかけてノルウェー・スウェーデンの副領事兼領事秘書だった。

兜には「春田光」と名記されており、春田派の甲冑師によって造られたものである。春田派は、室町時代(1333‐1573年)から江戸時代まで奈良で活躍し甲冑の制作に影響を与えた。春田派が、初めて製作した甲冑に名を記すようになった。兜の裏地のせいで、最後の文字が見えにくいが「定」かと推測される。

紋は、兜の吹き返しと籠手には安倍氏の紋がある。安倍氏は江戸期を通じて武蔵国の岡部藩を支配した。

この甲冑には全てが揃って完璧な状態である。

兜

兜は錆塗(錆塗の工程では漆に鉄か錆鉄の粉を混ぜ艶を消し、古びた錆の様な効果を出す)。頭頂部は型抜き染めの皮でおおわれている。12枚の三角板が、頂点の小穴である天辺(てへん)の周りに向かっている。この穴は5つの花形の板、真鍮と銅で交互にメッキされた「天辺金物」で囲まれている。

後ろ側は、総角(あげまき)で飾られている。

兜には締め紐があり、裏打ちがされている。

兜の鉢の中側の後ろ部分に名前が書かれている: 春田 満、、、(おそらく定)。

首の防御、鐚は五枚の板が緑と緋色の紐で繋がれ、上部の板は後ろに反り返った吹き返しで、円の中に梶の葉の家紋が型刷りされている。眉庇(まびざし)の一番上には銀で鬼の頭を象り金か金メッキを施した牙のついた前立てが付けられている。(鬼は民間では悪魔であるが、同時に人の力を超えるものでもある。)

甲冑一式  (UEM18237) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス
甲冑一式  (UEM18237) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス
(George Alexis Pantos)
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面頬(めんぽお/めんぼお)

茶色の塗られ荒々しい表情の烈勢面(れっせいめん)で取り外し可能な鼻部分は、兜の側面に続く紐で繋がれている。内側は赤の漆塗りで、口の開いた部分には銀の歯がある。

喉の保護は5枚の板で、緑と緋色の組み紐で兜と同じ模様になっている。

胴

つの部分が左側には要で、右側は紐で繋がれている。最上胴(もがみどう)と呼ばれるもので、緑色の紐で固く編み上げて作られている。正面の胸板の二つの輪は一つは指揮官の采配用、もう一つは布(汗を拭う)を下げるための物。

胴にはしっかりした保護用の6組の草摺(くさずり)付けられている。それぞれ7枚の鉄板でできており、黒い漆塗りが緑と緋色の組み紐で、兜と同じ様な模様編みされている。

袖

中型、黒い漆塗りの板が、緑と緋色の組み紐で、兜と同じ様に模様編みされている。

袖

同上

小手・籠手(こて)

上部は3つの水平な部分と4x5枚の縦長の鉄板が鎖帷子で繋がれており、緑と金の錦織りの上に付けられている。下腕の部分は竹模様の飾りが施されている3枚の鉄板が繋がれている。籠手も黒塗りの鉄板で、兜と同じ様に金メッキされた梶の葉の家紋が付いていつ。4つの部分が指の動きを妨げないように繋がれている。

下腕の鉄部分には金で「のぶただ(信忠?) 作」と署名されている。

Close up of detailed ornaments
UEM18237部分:喉の保護(左上)、胸板(中央下方)と腕の保護(右)。喉の保護と胸板は鉄板で出来ており、絹の紐(薄い赤と緑)で繋がれている。鉄の胸板は、型染の革(青い模様部分)で覆われている。腕部分は、茶色の木綿地が緑、朱色、白の絹糸で小食されている。写真 ゲオルゲ・アレクシス・パントス

小手・籠手(こて)

同上

脛盾・膝甲・佩盾(はいだて)

22枚の板のそれぞれが6列で緑と金で錦織を覆っている。

脛当・臑当・髄当(すねあて)

5枚鉄板が縦に蝶番で繋がれており、青い木綿で裏地が付けらている。

脛当・臑当・髄当(すねあて)

同上

Av ペール・タリエ・ノールハイム 著 ラーシュ・リーサン、アンネ・ホーブー編集 マグヌスセン 矢部直美 日本語訳
Publisert 19. sep. 2025 12:51 - Sist endra 9. des. 2025 18:32