UEM49851 日本の甲冑一式

Close up of a samurai helmet

細説明

1967年に書かれた博物館のカタログには以下の様にある:「テレマルク県(Telemark)ブルンケバルグ集落(Brunkeberg)ヴァトンリーア(Vatnlia)農場の地主でエンジニア、ニルス・ショッツ(Nils Schiøtts)の寄贈。これは、1843年生まれで軍の指揮官だった彼の叔父ニのルス・ショッツが収集したもので、おそらく1870年頃のものと思われる。」

この甲冑の金属板は、ほぼ全部錆塗りが施されている。錆塗りは、漆塗りの層に鉄粉や錆鉄の粉を混ぜ、きれいに下準備された表面に塗るもので、湿気のある環境で層毎に乾かし固める。この技法を使うと、艶のない古びた外見の仕上がりになる。(例外は、吹返しの裏側・面頬の内側・錏の内側で、これらは艶のある塗り。)

兜

24枚の板で、小ぶりの筋がある筋鉢。銅製の五層の天辺金物がある。湾曲した前庇には、正面に来る前立の受け台があるが、その台の下方は失われている。鉢には銘が無いが、裏地と締め紐は揃っている。

錏: 4枚の黒く塗られた板が青い組み紐で繋がれ、大きな広がある。一番下の板には複数色と赤の組み紐が使われている。

甲冑一式  (UEM49851) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス (George Alexis Pantos)
甲冑一式  (UEM49851) 写真 ゲオルゲ・アレキス・パントス (George Alexis Pantos)

詳細画像

面頬

半頬(はんぼお)。外側は錆塗り、内側は赤く艶のある塗り。首の保護も兜の錏と同じ様に組み紐で繋がれている。

胴

二枚胴で、左側が蝶番で繋がれている。横長の板で出来ており、胸は7枚、背は9枚使われて全て錆塗り。外側から見える組み紐繋ぎは一番上の青い組み紐の部分のみ。

草摺: それぞれ5枚の鉄板が青い組み紐で繋がれており、一番下の板には複数色と緑の    組み紐が使われている。

袖

比較的小ぶり。それぞれ6枚の板が青い組み紐で繋がれており、一番下は複数色と緑の組み紐が使われている。    

袖

同上

小手・籠手(こて)

鉄板と鎖帷子が錦地の上に取り付けられている。上腕には3列に、それぞれ4枚の四角い板が使われている。加えて4枚の板からなる1列があり、肘部分には花形の板、下腕には5枚の縦長の板が使われている。

小手・籠手(こて)

同上

脛盾・膝甲・佩盾(はいだて)

6枚の四角い板からなる4列が鎖帷子でつながれ、青い布の上に取り付けられている。

Nærbilde av samurairustning
UEM49851 部分。中央:鉄板の草摺、青い絹の組み紐で繋がれている。両側:鉄と楔帷子製の籠手。この甲冑は大かた鉄板で錆塗りが施されているが、鎖帷子には錆塗りは施されていない。錆塗りは漆に物を混ぜて古びた表面を作り出す方法。木や陶器の粉が使われる場合もある。鉄粉が混ぜられる場合もあるが、この場合はまさに錆になる。この甲冑は実際に使われていたようで着古されているのが分かる。親指部分に見られるように、実際に錆が出ている部分もある。部分 写真: ゲオルゲ・アレクシス・パントス

脛当・臑当・髄当(すねあて)

縦長の幅の狭い板、長目4枚と短目3枚板が鎖帷子で繋がれ、それが布の上に取り付けられている。

脛当・臑当・髄当(すねあて)

同上

Av ペール・タリエ・ノールハイム 著 ラーシュ・リーサン、アンネ・ホーブー編集 マグヌスセン 矢部直美 日本語訳
Publisert 19. sep. 2025 14:15 - Sist endra 9. des. 2025 18:32